金星食の解説(2012年8月14日)

1989年12月2日の金星食
撮影:佐藤幹哉
2012年8月14日に起こる金星食について、起こる時刻や見え方などを解説します。

金星食について

金星食は、地球と金星の間に月が入りこみ、地球から見たときに金星が月に隠れる現象です。2012年8月14日未明(8月13日深夜過ぎ)にこの現象が起こります。

川崎市内での様子

金星食のようす

※予報時刻は、科学館付近におけるものです。市内の他の場所で観測した場合には、十数秒のずれがあります。

かくれ始めは東の低い空 金星が月にかくれ始める第一接触は、2時44分27秒です。このとき、月と金星は東の空の低いところに見られます。東側がよくひらけた場所で観察しましょう。
肉眼で見ると小さく見える金星ですが、点ではなく面積体です。完全にかくれるまでには1分以上かかります。肉眼では、少しずつ金星が暗くなっていくように見られるでしょう。
金星が月に完全にかくれてしまう第二接触は、第一接触から1分18秒後の2時45分45秒です。
完全にかくれてしまうと金星は見えなくなります。この状態が約45分間つづきます。

月の暗い側から出現 金星が月から出現しはじめる第三接触は、3時29分10秒です。この時、金星は月の光っていない側から出現するので、月の光っている部分からは離れたところに見え始めます。注意深く観察しましょう。
このとき肉眼では、少しずつ金星の明るさが増していくように見えることでしょう。そして第三接触から1分25秒後の3時30分35秒に、金星が完全に月から出現する第四接触となり、金星食が終了します。


双眼鏡や望遠鏡を使うとより詳しく見える

月と金星はとても明るい天体です。金星食のようすは、特別な道具を使わなくても肉眼で見られます。
ただし、双眼鏡や望遠鏡を使うと、金星が少しずつかくれていくようすや、じわじわと出現してくるようすなどを詳しく観察することができるでしょう。